ダム名 一ツ瀬ダム(ひとつせだむ)
ダム形式 アーチ式コンクリートダム
河川名/水系名 一ツ瀬川/一ツ瀬川水系
所在地 宮崎県西都市大字中尾字的場
着工年/完成年 1960年/1963年
用途 発電
堤高 130.0m
堤長 415.6m
堤体積 555,000m3
総貯水量 261,315,000m3
有効貯水量 155,500,000m3
ダム湖名 一ツ瀬貯水池
一ツ瀬ダムは堤高、総貯水量がともに九州で最大、中国、四国を含めてもそれぞれ2番目という、西日本を代表すると言っても過言ではないダムです。しかし、そんな「五つ星」クラスのダムながら、最近までネット上にほとんど情報がなく、ダムファンの間では謎に包まれた巨大ダムのたとえとして「東の高瀬、西の一ツ瀬」などと呼ばれていました。矢木沢ダムに匹敵する規模を持ちながら、なぜこれまでメディアに取り上げられなかったのか、その疑問は実際に訪問することによって氷解しました。これだけのダムが、何と立入禁止なのです。ダム自体は国道沿いに設置されているので、その目眩がするほど雄大な堤体を間近で見ることは可能なのですが、肝心の堤頂部が閉鎖されているとあっては魅力も半減以下です。管理所が近くにない、というシチュエーションも、太刀打ちできない門前払い感を一層強めています。とは言え、堤体の美しさは格別で、誤解を恐れずに書くならば、個人的には日本一美しいアーチダムであると断言してもいいと思ったほど。それだけに、この閉鎖的な雰囲気はあまりに惜しいところです。
堤体は巨大なドーム型アーチダムで、何と言っても特徴的なのは左岸、中央、右岸と2門ずつ3箇所に別々に配置されたクレストゲートです。両岸のゲートの先にはスキージャンプ式の導流部が接続されていて、これは同じ九州電力アーチダムの先達、上椎葉ダムと同じモチーフ、遡れば日本で最初のアーチダムとされている三成ダム(島根県)の流れを汲むものです。クレストラジアルゲートの操作室は高さが堤頂部とキッチリ揃えられ、ゲートの脇に寄り添うように設置されています。このあたりのデザインの凝りようは素晴らしいものがあり、立入禁止の1点が、かえすがえすも残念です。