ダム名 杉安ダム(すぎやすだむ)
ダム形式 アーチ式コンクリートダム
河川名/水系名 一ツ瀬川/一ツ瀬川水系
所在地 宮崎県西都市大字南方
着工年/完成年 1960年/1963年
用途 発電
堤高 39.5m
堤長 156.0m
堤体積 40,000m3
総貯水量 8,765,000m3
有効貯水量 2,247,000m3
ダム湖名 杉安貯水池
宮崎県は九州電力の勢力内で最も水力発電が活発な地域で、県内には上椎葉ダム、一ツ瀬ダムという、ダムファン垂涎の2大アーチダムを筆頭に、数多くの発電ダムが存在します。杉安ダムは一ツ瀬ダムの下流に設置された小型のアーチダムで、おそらく一ツ瀬発電所の逆調整の目的で建設されたものと思われます。
宮崎市から、米良街道とも呼ばれる国道219号線を遡って杉安発電所を通り過ぎ、少し走ると杉安ダムの堤体が姿を現します。背が低くクレスト部にたくさんのゲートを並べたアーチダムの佇まいは、私が今までに見た中では栃木県の中岩ダムや黒部ダムなどの「黎明期の重力式アーチダム」を思わせますが、よく観察すれば杉安ダムのデザインはずっと新しく、形式も「重力式」の付かない普通のアーチダムです。それほど川幅が広いわけでもなく、堤高も低い部類なので、わざわざアーチで設計しなくてもコスト的にはそれほど差はないのではないか、という気もするのですが、やはり上流の一ツ瀬ダムとお揃いにしたかったのかな、などと技術者の心意気のようなものを勝手に想像します。
発電ダムの常でダムサイトに立ち入ることはできませんが、国道沿いにあり、路肩も広いので気兼ねなくクルマを停めて見物することができます。それほど目立つ特色があるわけではないのですが、このあたり一帯のダムを見てから思い返すと、九州最大の一ツ瀬ダム様に仕えることを許された唯一のダムだ、という誇りのようなものがにじみ出ていたような気がして、妙にカッコ良く思えてしまうダムです。