ダム名 井川ダム(いかわだむ)
ダム形式 中空重力式コンクリートダム
河川名/水系名 大井川/大井川水系
所在地 静岡県静岡市葵区大字井川字大久保
着工年/完成年 1952年/1957年
用途 発電
堤高 103.6m
堤長 243.0m
堤体積 430,000m3
総貯水量 150,000,000m3
有効貯水量 125,000,000m3
ダム湖名 井川湖
中空重力式ダムとして日本で最初に着手された井川ダムは、中部電力の発電ダムが連なる大井川上流域に昭和32年に完成しました。地名(井川)と当時の社長の名前(井上五郎)とを組み合わせて井川五郎ダムとも呼ばれています。何でも「アメリカには人名がついたダムがある(例:フーバーダムのフーバーは当時の大統領の名)のに日本にはないからつけてしまえ」などと言ったとか言わないとかで、さすが社長になるような人の思考は違うな、と思わせます。堤高は約103mで、5年の後さらに上流に造られた畑薙第一ダム(125m)に次いで、現在でも2番目の地位を堅守しています。
堤体は、中空重力式を外観から判断する数少ないポイントである「襟がほとんどない」ところが顕著で、分かる人が見れば、おっ、これは中空か・・・と推理することができそうです。放流設備はクレスト部に中部電力御用達のラジアルゲートが3門備えつけられ、そのすぐ脇の上流面に発電用の取水口が設置されています。そこから流れ込んだ発電用水は、堤体下流側の下部から伸びるぶっとい導水管ですぐ目の前の発電所に送り込まれます。
堤体上は静岡市街から上流の畑薙第一ダム方面に抜ける道路になっていて、交通量もまあまああります。ダム周辺には管理所、中部電力の展示館、軽食がとれる店などが並んで立っています。また大井川鉄道井川線の終点井川駅もすぐ近くなので、ダムが目的の人はともかく、観光客はかなり訪れるものと思われます。