ダム名 | Emossonダム |
ダム形式 | アーチ式コンクリートダム |
河川名/水系名 | Barberine川/ローヌ川水系 |
所在地 | スイス/ヴァレー州 |
着工年/完成年 | 年/1974年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 180.0m |
堤長 | 555.0m |
堤体積 | 1,090,000m3 |
総貯水量 | 227,000,000m3 |
有効貯水量 | m3 |
ダム湖名 | Emosson湖 |
Emossonダムは、スイス南西端のヴァレー州の中でも最西端に位置するアーチダムで、険しいアルプスの山々の中に、青い水をたたえた真っ白なコンクリートのアーチがそびえる景色は、絵はがきやポスターなどのモチーフにもよく使われており、スイスを代表するダムと言っても過言ではありません。堤高180m、堤長555m、総貯水容量2億立方メートルの発電用ダムという基本スペックは、日本最大のダム、黒部ダムとほとんど同じ大きさ。斜め上の展望台から見下ろせるロケーション、その堤体自体の雰囲気、そしてケーブルカーやトロッコを乗り継いでたどり着くというアクセス方法もどことなく似ていて、これはもう黒部ダムと姉妹ダム提携を結ぶしかないのではないかと本気で思います。 堤体は、右岸側のウイング部分に自然越流式の洪水吐があるだけで、キャットウォークもなく非常にシンプルなルックスです。驚いたのは天端に排水用の側溝や柵の基礎のような出っぱりが一切なく、上流側から下流側まで本当の意味でフラットだったこと。もし金属製の柵がなければ、堤体は全く凹凸のない1枚の壁のように見えるのです。このあたりの設計の割り切りというか、シンプルながら美しさを追求した姿はさすがスイス、という感銘を勝手に受けました。また、日本と比較すると降雨量が少なく、年間を通じて湿度も低いため堤体にはまったく苔がなく、コンクリートが打設時のまま美しい白さを保っているのも大きな魅力です。 貯水池の中には、Emossonダムより以前からこの地でスイス国鉄の電気を生み出していたBarberineダムが眠り、水位が低くなるとその姿を現します。また、山道を上流に2kmほど歩くと、こちらもスイス国鉄の発電用アーチダム、Vieux-Emossonダムがあります。 |