ダム名 | 上日川ダム(かみひかわだむ) |
ダム形式 | センターコア型ロックフィルダム |
河川名/水系名 | 日川/富士川水系 |
所在地 | 山梨県塩山市大字上萩原字萩原山 |
着工年/完成年 | 1991年/1999年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 87.0m |
堤長 | 494.0m |
堤体積 | 4,110,000m3 |
総貯水量 | 11,470,000m3 |
有効貯水量 | 8,300,000m3 |
ダム湖名 | 大菩薩湖 |
上日川ダムは、揚水式では世界最大の有効落差を持つ東京電力葛野川発電所の上部ダムとして建設された堤高87mのロックフィルダムで、下部ダムの葛野川ダム、地下式の発電所とともに1999年に完成しました。 富士川水系日川の最上部に位置するダムは発電用水の確保以外の用途はないため、目につく放流設備は右岸側に設置された自然越流式の洪水吐だけです。しかしこの洪水吐も水が越えることはほとんどないでしょう。 ダム堤頂部の標高は約1500m地点で、日本のダムでは3番目に高い場所に位置します。ダム湖の背後には大菩薩嶺がそびえ、晴れた日に堤体上から見える景色は素晴らしいものがあります。また下流側は遠くに富士山を望むことができます。 葛野川発電所は完全地下式の発電所や、上部ダムと下部ダムの間を結ぶ全長約8kmの導水管4本、そして落差700m以上の急勾配トンネルなど、数多くの難工事を経て造られました。特に急勾配トンネル部分の導水管には1平方メートルあたり最大1200トンもの水圧がかかるため、それに耐えるよう90ミリの厚さの鋼板をトンネルの内側に張って強度を上げています。また、それまで落差500m程度が限界だった揚水発電用水車も、様々な研究の結果この落差に耐えるものを開発することに成功しました。この水車は、水の流れで発電するだけでなく、夜間は逆回転させることで700m以上高い場所にある上部ダムに水を汲み上げるという優れモノです。このように、葛野川発電所は最新のテクノロジーを駆使して造られた水力発電所なのです。 |